KenMiki & Associates

3つの「場」の展覧会

中之島デザインミュージアム de sign de > の開館記念展『野井成正の表現ー外から内へ/内から外へ』が始まりました。野井成正さんは、商業施設の中にランダムな線や面で構成されるインスタレーションを組み込むことで空間にズレや重なりを作り、密度の異なる「間(ま)」によって不思議な時間を生み出すデザイナーです。空間を通してヒトとヒトが出会い、そこにヒトとコト、ヒトとモノの関係性が生まれるデザインを考えてこられたのだと思います。
今回の展覧会では、間伐材を使い開発した独自のユニットシステムで自由に空間をつくり出し、素材をいためず元通りに復元できる仮設空間や、竹を使った独創的なインスタレーションと壁いっぱいに描かれたドローイングが刺激し合う野井ワールドが展開されています。野井さん曰く「竹を通り抜ける人によって竹が揺れ、時にぶつかり音が鳴る、そこに偶発的な場が誕生してコミュニケーションが生まれる」とのこと。ここは身体感覚を開く『気づき場』として位置づけられているようです。その他に『まなび場』『たまり場』といった『BAR[場]-[野井]NOI』が会期中に数多く開かれるようです。『場』を形成させるヒトとヒトのコミュニケーションが僕たちにどんな気づきをもたらしてくれるのか、ちょっと楽しみです。
ここに掲載した野井展のポスターは、野井さんの空間にみるインスタレーションに刺激を受けて制作したもの。ポスターを見られた瞬間、野井さんが「ええな、これ。俺の名前や」と言ってOKマークを示されたのがチャーミングでした。66歳の野井さんを囲んで若手のクリエイターがみんなで盛り上げる。東日本大震災で苦悩する日本だけど、「de sign de できること」をみんなで考える。そんな「場」を野井さんがつくり出してくれました。夜な夜な展開する『たまり場』も楽しみだし、野井さんのワークショップ『まなび場』も期待が膨らむし、建築家の宮本佳明さん、デザイナーの安積朋子さん、インテリアデザイナーの近藤康夫さん、グラフィックデザイナーの杉崎真之助さん達が登場する『気づき場』のトークショーも楽しみ。春から夏に向けてなんだかワクワクするde sign de > へ、3つの「場」を楽しみにいらっしゃいませんか。


中之島デザインミュージアム de sign de > 開館記念展[創造のアーカイヴ vol.1]
野井成正の表現ー外から内へ/内から外へ
2011年4月26日(火)-7月3日(日)12:00-19:00(入場は18:30) 月曜休館 

会場:
中之島デザインミュージアム de sign de >
大阪市北区中之島5-3-56 中之島バンクスEAST
Phone.06-6444-4704 Email:info@designde.jp http://www.designde.jp