KenMiki & Associates

VISIONS of JAPAN

世界中が震撼した東日本大震災と、それに伴う福島原発事故から2週間が経過しました。
被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げると共に、お亡くなりになられた方々のご冥福と、安否の分からない方々の無事をお祈り申し上げます。そして、原子力発電所の予断を許さない状況に日々不安が募ってまいります。「なんとかこれ以上事故が拡大しないで欲しい」。「お願いだから、助けて欲しい」。切に願うしかない自分の無力さに愕然とするぐらい打ち拉がれています。いま、僕にできることは何だろう?医学に例えるならば、西洋医学にみるような即効性のある復興活動は、多くの専門家やボランティアにひとまず委ね、僕は物資や義援金など、わずかであるが経済的な支援にまわり、東洋医学にみるような全体と部分を見渡す今後の復興計画や中長期的視野に立ったヴィジョンづくりなどでコミュニケーションデザインの専門家として何か参加できることはないだろうかと、自問自答を繰り返しています。同胞の夢や希望を灯し続けるために、何らかのカタチで貢献したい。日本中のみんながそれぞれの立場で考え始めています。また、世界中のみんなが応援してくれています。「生きる力」。それは、夢や希望によって支えられていきます。
『VISIONS of JAPAN』。
みんなの生きる道しるべとなる灯台が今後の日本に勇気を与えていきます。
さて、そんな震災のさなかですが、今回も de sign de > のリレートークのポスターを作ることになりました。日経デザインの編集長、下川一哉さんとプロダクトデザイナーのムラタ・チアキさんが語られる内容は「デザイン行政で、日本は浮上する」。震災前に決められていたテーマです。昨日、交わされた内容の中で癌で生還したばかりの下川さんが「僕は、癌で一時的弱者となった。今回の震災や原発で日本も一時的弱者となったと考え、復興に対し多くのデザイナーの知を集め、世界を幸せにする提案をするのはどうだろうか?」と語られました。僕がこのポスターで伝えたかったことや震災直後から考え始めていたことと重なり、とても共感しました。
「きれいな空気。きれいな緑。きれいな水」。日本にあったあたり前の風景が、最も貴重なものであったのだと、あらためて気づかされた2週間。あと、もう少しもすれば、あの残酷な自然の猛威が、あたたかな風と一緒に桜の花を咲かし始めることとなります。優しい光にくるまれたい。これが日本人みんなの偽らざる気持だと思います。広島、長崎の被爆に続きこの度の福島の放射能漏れによる被曝。また、数々の大震災にも見舞われてきた日本。それでも立ち上がってきた日本。僕らがやらなければならないのは、世界に問う健康で平和な国づくり。「一時的弱者」の僕たちが、いわゆる強者ではない、新しい価値を探る試練を神に与えられたのだと考え、何としても日本を復興させねばならないと強く感じた次第です。
真っ暗闇の中で、仄か(ほのか)な明かりを灯す。そこに閃き(ひらめき)が生まれてくる。


de sign de > talk 05 >
第5回「デザイン行政で、日本は浮上する」
話 し 手:下川一哉(「日経デザイン」編集長) ムラタ・チアキ(プロダクトデザイナー)
開催日時:2011年3月25日(金)開始19:00–20:30終了予定(受付18:30 会場入口にて)
参 加 費:¥1,000(1ドリンク付)
本イベントでの収益は東日本大震災被災地へのお見舞いとします
定  員:60名(椅子席は先着順/立見あり)予約不要
○ 終了後にコミュニケーションパーティあり(参加自由・ドリンク有料)
会  場:中之島デザインミュージアム de sign de >
大阪市北区中之島5-3-56 中之島バンクスEAST www.designde.jp
主  催:中之島デザインミュージアム de sign de >
問合せ先:Tel. 06-6444-4704 E-mail : info@designde.jp