KenMiki & Associates

2013 あけましておめでとうございます

新しい年が始まりました。
『Paper Sculpture』と名付けた年賀状シリーズ。かれこれ35年以上も続けています。古い友人の中には「全部コレクションしてるよ」といってくれる人もいます。今年始めて、全ての文字を自筆でデザインしてみました。活字であれ、写植であれ、フォントであれ、僕たちのまわりにある文字は誰かがデザインしたもの。人の手を借りずにコミュニケーションの源に触れてみたい。『書き初め』のつもりで真っ白な紙に向おうと意気込みますが、「字がきたない」といわれた子ども時代のコンプレックスが…。きれいに書こうと思えば思うほど肩に力が入ってしまいます。結局、始めに書いた文字を選んでデザインへ。コンピュータでパチパチと文字を打つようになって、自筆で文字を書くことがめっきり少なくなってしまいました。白い紙の前に立つと、なんだか手つかずの自然の中に飛び込んでいくような怖さを覚えます。
文字を選ぶのではなく書く。書家が聞けば「当たり前」といわれることが非日常になってしまっているのです。コンピュータの前に座るようになり便利になったこともありますが、退化していることにも多く気づかされます。例えば、漢字が思い出せない。「パチパチ、変換」が書けなくしてしまっているのです。
「自分の身体の震えを文字にする」。言い換えれば「身体で発想」して「身体で対話」する。今まで以上に身体でぶつかっていく。そんな一年にしたいと思っています。相撲のぶつかりのような「ドーン」や「パチーン」。コミュニケーションの火花を身体で感じ取る。みなさん、今年も胸を貸してくださいね!そして、お互いに胸を貸し合える健康な一年でありますように…。