Works

Exhibition

Martin Sturm

お金は私を幸せにしない

MONEY DOES NOT MAKE ME HAPPY

Concept

MONEY DOES NOT MAKE ME HAPPY
お金は私を幸せにしない。

この作品は、もともと雑誌のためのグラフィックとして、Stefan Sagmeister(ステファン・サグマイスター)から依頼を受けて制作したものです。ステファン・サグマイスターは、オーストリア生まれ、ニューヨークを拠点に活動するグラフィックデザイナーです。単に美しいものをつくるデザイナーではなく、「幸福」「時間」「美しさ」「人生」といった大きなテーマを、デザインを通して問い続ける思想家のような存在として知られています。ある日、彼がアートディレクションを手がけるオーストリアの雑誌『copy』の特集で、「Money does not make me happy」というテーマの作品を制作してほしいという依頼を受けました。この仕事では、アートディレクションをステファン・サグマイスターが担当し、デザインを三木健が担当しています。通常、このような立場で仕事を引き受けることはほとんどありません。しかし、国際的に活躍するデザイナーである彼の思想に共感する部分が多く、このプロジェクトに参加することを決めました。ところが、完成した雑誌には、なぜか「NOT」の文字だけが抜け落ちていました。誌面には、MONEY/ DOES / DOES /MAKE / ME / HAPPYと印刷されていたのです。「お金は私を幸せにしない」は、「お金は私を幸せにする」へと反転してしまいました。その後、この作品はオーストリア・リンツで開催されたアートフェスティバル「Schaurausch」において、カジノの外壁を包み込むインスタレーションとして再構成されることになります。「MONEY DOES NOT MAKE ME HAPPY」という言葉をカジノの建物に掲げることに対して、当初、カジノ側は難色を示したそうです。リンツのメインストリートを歩く人々が最初に目にするのは、7階建ての黒いカジノの壁面に大きく掲げられ「MONEY」の文字だけです。そして建物の横を通り過ぎ、脇道へと視線を移した瞬間、はじめて文章の続き、DOES NOT MAKE ME HAPPY. が現れます。人は、自分が見たいものだけを見ている。この作品は、言葉の意味だけではなく、見るという行為そのものを問いかけるデザインでもありました。

Credits

2007 (Schaurausch, Linz, Austria)

Client
Martin Sturm, O.K. Centrum

Art Direction:
Stefan Sagmeister

Design:
Sagmeister Inc.
Ken Miki