富山県美術館の企画担当の学芸員はこう語ります。「数ある美術作品の中でも、とりわけ日本画の美しさには、どこかやさしさが感じられます。しかし、作品と向き合う中で『なぜそのように感じられるのか』を意識する機会は案外少ないのかもしれません。」本展では、この問いを手がかりに、日本画の魅力をじっくり味わうための仕掛けとして、「なぜ?を見つける5つのヒント」を設けました。5つの視点「いつ、どこで、誰が、何を、どのように」を通じて、季節の草花や心温まる風景、穏やかな色使い、荘厳な精神性、哀愁を帯びた表情など、画面の隅々に潜むやさしさの理由を探ります。僕は、この5つの視点をたどる柔らかな感性を、浮遊するやさしい5本の線で表現しました。それぞれの線は、問いかけと感覚の軌跡を象徴し、画面の余白の中でそっと浮かび、静かに揺れます。さらに、5本の線は独立しつつも互いに呼応し、個々の視点が織りなすハーモニーを生み出します。これは、日本画が持つ多層的な美しさや、作品の一筆一筆に込められたやさしさの重なりを、視覚的に体現する試みです。学芸員の問いかけとデザインを通じて、観る人は日本画のやさしさを再発見し、改めて作品と向き合う時間を楽しむことができるのです。