世界から注目を集めるプロダクト・空間デザイナー、柳原照弘さんからの依頼で、クリエーションギャラリーG8で開催される個展「Layerscape展」のサイン計画とインスタレーション計画に協力しました。展覧会のシンボルは、4本の線で構成され、Teruhiro Yanagiharaの「T」と「Y」を象ったものです。透けるトレーシングペーパーに表と裏から印刷されたポスターは、わずか数ミクロンの紙の厚さを活かして奥と手前にシンボルを配置しており、その微細な重なりが、光や視線の角度によって揺らぎ、紙の向こうに広がる空間の奥行きと時間の流れを体感させます。わずかな厚みの差が、単なる平面のポスターを、まるで時空間が層を成して浮かび上がるかのような立体的な体験に変えるのです。インスタレーションでは、柳原さんから「素材の向こうにぼんやり映る人物で、この空間の気配を表現できないか」という提案があり、私はそこに4本の線のパーツを加えることで、さらに『間』を感じる空間表現を探りました。線の微妙なズレや透け感が、観る者の視線を奥へ奥へと誘い、空間の静かな呼吸や存在感を意識させる体験を生み出しています。このプロジェクトを通して、素材の厚み、線の配置、光の揺らぎが織りなす微細な重なりの中にこそ、「間」の本質的な価値が宿ることを改めて感じました。数ミクロンの紙の厚ささえも、観る者に空間の奥行きや時間の余韻を意識させる力を持つ、そんな繊細で豊かな体験を目指したデザインです。