Academic

Editorial

大阪芸術大学

アンチテーゼした教科書に10年後載ることに

APPLEの書籍化

Concept

「APPLE」は一つの授業として始まりました。りんご一つを手に取り、15週かけてデザインの基礎を考える。それは答えを教えるためではなく、問い直すための試みでした。「考え方の考え方」「作り方の作り方」「伝え方の伝え方」「学び方の学び方」といった、デザインのさらに手前にある思考の層に光を当てる教育です。デザインを教える教科書は、なぜ「思考」を扱わず、「結果」だけを並べるのか。ないなら、自分で作ろう。この単純な決意が、授業を越え、講演となり、出版となり、展覧会へと広がっていきました。授業で生まれた問いは、やがて国内外のデザイナーや教育者に届き、英語版、日本語版、中国語版、韓国語版と4ヶ国語で出版されました。問いは時間や場所に縛られず、世界を巡り、読む者に新たな考えをもたらします。本は完成形ではなく、途中の思考が紙に刻まれています。そこには、答えではなく、問いを受け取り考え続ける余白が残されています。学びとは、固定された知識ではなく、思考の連鎖を紡ぐ営みです。その営みは、時を越え、国境を越え、次の世代の心にそっと宿ります。10年後、かつてのアンチテーゼは、高校美術の教科書に迎え入れられました。『APPLE』はもはや単なる授業でも教科書でもなく、問いは次の世代の心に芽を出し、やがて枝を広げ、風に揺れ、光を受け、深い森へと育つことを静かに願っています。

Credits

APPLE+
Learning to Design, Designing to Learn

2014年に英語版を
スイス[Lars Müller Publishers]より出版
ISBN 978-3-03778-386-3

2017年10月に中国語版を
[上海人民美術出版社]より出版
ISBN 978-7-5586-0542-0

2017年12月に日本語版を
[CCC Media House]より出版
ISBN 978-4-484-17234-7

2018年11月に韓国語版を
[Design SOHO]より出版
ISBN 978-89-92681-26-1

Art direction:
Ken Miki

Graphic Design:
Ken Miki, Yoko Inuyama,
Ken Miki & Associates