



Works
Branding
京菓子司 都
なつかし あたらし
「都」は、京都の和菓子屋であり、「食べる宝石」と称される琥珀糖のOEMによって成長してきたブランドです。琥珀糖は、寒天・砂糖・水という最小限の素材から生まれる、食感も楽しい和菓子です。その透明な佇まいには、時間や光、手仕事の記憶が凝縮されています。この「都」の営みを、京丹後に140年以上続く炭平旅館が継承することになりました。江戸時代、京都の旅館で生まれたとされる琥珀糖。その文化を、長い時間を宿す旅館が受け継ぐことは、単なる事業承継ではなく、土地と記憶、もてなしの精神が静かに手渡される出来事のように感じられます。そこには、偶然を超えた必然のような文化的連なりが息づいています。ブランド再構築にあたり掲げたコンセプトは、「なつかし、あたらし」。懐かしさとは過去に戻ることではなく、記憶の奥に触れること。新しさとは断絶ではなく、解釈を更新する行為であると捉えました。シンボルデザインでは、江戸時代に生まれた「文字絵」の文化に着目しました。文字を読むものから、眺め、味わい、遊ぶものへと変換する、日本独自の知のかたちです。「ひらがな+漢字」という発想から、「み・や・こ」のひらがなと漢字の「都」の両方に見える文字を図案化し、意味と形が行き来する曖昧な輪郭を生み出しています。さらに、「へのへのもへじ」のような素朴な遊び心に倣い、「み・や・こ」のひらがなで職人の顔を描きました。そこには、名もなき手仕事への敬意と、人の気配を残したいという思いがあります。また、「琥珀糖」という言葉の「琥珀」を「王」「虎」「白」に分解し、それぞれを象形文字をベースに再構成することで、言葉そのものを味わう試みも重ねました。これらの頓知や遊びは、理解されるためではなく、気づかれ、語られていくための仕掛けです。「遊びが仕事、仕事が遊び」。伝統を固定せず、更新し続けることで、京菓子「都」は味覚を超え、言葉や記憶、文化を包み込みながら、静かに未来へと広がっていきます。ます。
Art direction:
Ken Miki
Graphic Design:
Ken Miki,
Saya Fukui,
Fuu Arakawa
Motion Graphics :
Sei Miki



