KenMiki & Associates

I will return to Japan.

オーストラリアのメルボルンで毎年開催されているagIdeasというデザインフェスティバルにスピーカーとして招聘されました。40人近いスピーカーの中でアジアからは僕一人。英語の不得意な僕が通訳なしで40分の講演です。というのも事務局から「逐次通訳なら準備できるが講演時間が半分になってしまう。話す内容を事前に伝えてもらえれば英訳して別画面に映す」といってきたのです。でも、訳し方が伝えたい内容と違うケースもあるし、タイポグラフィを相手に任すのは嫌だし、かといって単にヴィジュアルだけを発表するのでは「話すデザイン」の僕じゃないし…。結局、自分の考えをしっかり伝える為に英訳をこちらで作ることに…。何度もネイティブに文章をチェックしてもらい、読みやすい文字数にもこだわって、画面そのものがタイポグラフィとして完成度のあるデザインに仕上げ講演することにしました。とはいえ、40分の講演。観客を退屈させずに最後まで聞いてもらえるか不安です。でも、やると決めて自分の中ではしっかりとシミュレーションをしてきたつもりです。ところが、メルボルンに着いた翌日、のんびりと観光をしている時に僕を担当してくれている留学生のKEISUKEから緊急の連絡が入ってきました。「マネージャーが三木さんのスライドを半分にしてもらって逐次通訳をつけるといっていますが、大丈夫ですか?」。今ごろになってです。事務局とマネージャーのコミュニケーションが上手く交わされていない様子。「半分!いまさらなるわけないやろ!通訳なしでやれっていったのは、そっちや!」と返答するも電話の向こうで「 NO ! 」と聞こえてきます。電話でやり取りするも埒(ラチ)があきません。あまりにもうるさくいってくるので「逐次通訳をつけて半分にするなら日本に帰る!」と大爆発。慌てた相手が「あなたの講演時間を60分に拡大する逐次通訳つけて30分で。いゃ、同時通訳を今から手配する…」と、急変。翌朝、ホテルにマネージャーがやって来て、僕の講演内容をPCで見せたら「ビューティフル、グレート。このプレゼンテーションなら通訳はいらないわ」と…。「だからいったでしょ!」。自分のプレゼンにデザイナーがコミュニケーションのとれないようなものを作るはずがありません。結局、通訳なしでやることに。講演前に大騒ぎになった今回のやり取り。agIdeasのスタッフ全員に知れ渡った様子。国際的なデザイン会議のブラックリストに上げられたのでは? 留学生のKEISUKEは、間に入ってウロウロ。その後も引き下がらない僕にきっと手を焼いているはず…。「自分を信じて、生涯最高の講演やってやる!」。すごいファイトが沸いてきました。
僕の出番は、明日、5月4日の午後1時15分から。