KenMiki & Associates

心づくり、顔づくりも大切ですが、しっかりと体づくりをせねば

先週末に福岡に行ってきました。『JAGDAと地元デザイナーによる地域中小企業活性化プロジェクト』の2回目の打ち合わせです。出発前、大阪の伊丹空港で驚いたのがプロペラ機によるフライトです。てっきりジャンボ機だと思い込んでいました。乗客稼働率に合わせ、時間帯により飛行機のサイズに変化をつけているようです。航空会社はANA。経営効率を考えたフライト・ローテーションのようです。タラップを昇りながら「安全でお願いしますよ!」と、お祈りしながらの機上です。ずいぶん前にプロベラ機で怖い思いをしたことがあります。ネパールのカトマンドゥからポカラに移動する際にチョモランマの強い気流で飛行機が大揺れした経験が甦ります。今回も離陸して少し経った頃です。「気流の関係で少々、機体が揺れることがございます。みなさまシートベルトの着用をお願いいたします。客室乗務員もサービスをやめ、シートベルトを着用させていただきます。なお、安全上の問題はございません」と、機内放送が流れるやいなや「フヮッ、フヮッ」と機体が揺れはじめました。僕は、ジェットコースターに乗っても酔ってしまうぐらいの体質です。目をつぶりながら「早く着いて〜!」と祈っているしかありません。徐々に気分が悪くなってきました。「神様、お願い!」。その時です。「ドーン、ドッドーン」と大きな音と揺れに驚かされ着陸です。到着時間も大幅に遅れています。乗り物酔いも醒めない状況ですが、大慌てで打ち合わせ会場へ。クライアントへのプレゼンテーションまでにはなんとか体調が戻りそうです。
さて、今回のプロジェクト、『新マーケットへ向けてのブランディングと販売戦略』という依頼内容。一つのビジネスモデルを組み立てるのにものすごいエネルギーが必要なのに、『ブランディング』という言葉が掲げられています。ブランディングを一言でいうと、企業とお客さまとの「絆」づくり。商品やサービスはもちろんのこと、企業全体の活動を通して信頼や安心や期待といった「ときめき」を発信し続ける行為。一過性のプロジェクトでは終わりません。中長期の経営計画にしっかり組み込んでいかねばならないのです。ブランディングを人に比喩するならば、「心づくり」、「顔づくり」、「体づくり」の3つに分けられます。「心づくり」は、マインド・アイデンティティといって理念を分かりやすく成文化して社内外に浸透させること。「顔づくり」は、ヴィジュアル・アイデンティティといって理念から導かれるデザインのこと。「体づくり」は、ビヘイビア・アイデンティティといって理念から広がる具体的な活動や方針のこと。その、いずれがかけてもブランディングにはなりません。つまり、しっかりした哲学や思想のもとに価値のある生き方を示し、多くの方にその活動に共感してもらうことです。
「長いお付き合いになりそうですね。社長」と、お伝えして考え方に大きく理解をいただきました。内容はもちろん企業機密。
会議を終えてお食事の後クライアントと別れ、福岡のデザイナーのみなさんと2次会、3次会へ。気がつくと朝の5時です。「ウヒョ〜」。翌日、午前10時からの三木組デザイナーチームとの打ち合わせ。「大丈夫だろうか?」。大丈夫なわけありません。午前中、みなさんに僕の仕事事例を紹介しながら考え方や組み立て方をお伝えしたまでは良かったのですが、午後から二日酔いでグロッキーです。みんなゴメンネ!
飛行機で酔って、プレゼンに酔って、焼酎に酔って、もう、フラフラ。「心づくり」や「顔づくり」も大切ですが、しっかりと「体づくり」をせねばと考える福岡への出張でした。