KenMiki & Associates

ふぅー。

久しぶりのコラムです。
この連休をつかい、AGIという世界デザイン連盟のイスタンブール大会に参加して、依頼のあった短いプレゼンテーションをメンバーにする予定でしたが、仕事の調整がうまく行かずキャンセル。友人のイタリアで開かれている展覧会にも足を伸ばそうと計画していましたが、これもいやおうなくスルー。結局、年末まで続く講演やワークショップの準備に大わらわです。
その予定は、10月23日から26日までが中国深圳にあるShenzhen Graphic Design Association(SGDA)が主催するデザインアワード(GDC 09)の審査と講演。帰国した翌日の27日が大阪dddギャラリーで開催される矢萩喜從郎展のギャラリートークに参加して矢萩喜從郎さんと澤田泰廣さんとの鼎談。11月5日から8日までが韓国で、5日の午後にはデザイナーのAhn Sang-Soo(アン・サン・スー)さんが教授を務めるhongik.univ.(弘益大学)で講演。翌日の6日の夕方にACA(アジア・クリエイティブ・アカデミー)でさらに講演。引き続き2日間のワークショップ。11月25日に日本IBMでお世話になった山崎教授の依頼で千葉工業大学で講演。12月5日には、香港ビジネス・デザイン・ウィーク(BODW)で講演。
このイベント、アジアで最大らしく今や欧米諸国にとっては自国のデザイン力やクリエイティブ産業を巨大中国市場にアピールする絶好の機会となっているとか。毎年パートナー国が変わるそうで、昨年のオランダは、レム・コールハースをはじめマルセル・ワンダース、イルマ・ブーム、ヘラ・ヨンゲリウスなど、まさにオールスターキャストでのぞみ国を挙げての超積極参加だったそうです。今年のパートナー国がフランスで日本からは、建築家の伊東豊雄さんと僕の二人がスピーカーに選出されています。来年のパートナー国を日本が勤める予定で視察に日本からもグッドデザイン賞でおなじみの財団法人日本産業デザイン振興会(JIDPO)のメンバーや社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)のメンバーなど多数のデザイナーも参加するらしいのです。「何を話そう。超、緊張してきた」。でも、こうやってコラムに書いちゃうと、プレッシャーも増してきますが、同時に気合いも入ってきます。講演は、その日の出来、不出来があって、僕の場合は完璧な原稿を準備しすぎるとアドリブが効かなくなって不出来になるケースが多いように思います。自分がのっていける環境をいかに創り出すかが最大のテーマです。ただ、今回はほとんどが海外、いつになく原稿の準備に余念がないのが自分でも気にかかります。
そんな連休を過ごしながらの昨日、思想家でエッセイストでフランス文学研究者で翻訳家で大学教授の内田樹さんの10月10日のブログをなにげに読んでいたら、親友の画家、山本浩二の緊急入院について書かれているではないですか。「ビックリ!」。武庫之荘のアトリエで倒れ、本人自ら救急車を呼んだとか。イタリアでの個展が現在開催中で一時帰国した翌日に不整脈が出て、以前の心臓手術の際に入れたペースメーカーが作動したようなのです。
しかし、奥さまのソプラノ歌手の森永一江さんは本拠地が東京。台風で交通手段なし。内田樹さんに連絡。講演や取材などで大忙しの内田さんがたまたま自宅に戻ったところに電話が入り、病院に駆けつけたとのことです。命に別状はなく、翌日CCUからPCCUにベッドが移ったらしいのです。全国の内田ファンが凄い回数アクセスする人気ブログですから、まるで、新聞か週刊誌かYahoo!のNewsを読んでいて友人の緊急事態を知ったような感じです。
思わず「えぇ!」という声が飛び出すほど驚きました。本人の携帯電話に連絡するも留守電になっていて繋がりません。あたりまえですよね。取り急ぎお見舞いの伝言をしておいたら、奥さまから連絡があり状況がつかめ、まずは、ひと安心。ただ、イタリアの展覧会の後半に合わせて渡伊するのは無理かも。日本から展覧会を見に行く友人もかなりいるとか。きっと、ベッドの上で残念がっていることと思います。その森永さんも自分の公演が控えていて昨日の最終で東京に戻らねばならないとか…。「ふぅー」。「いろいろあるよな」と、ため息をつきながらの連休です。「頑張れ、山本浩二」。

山本浩二のミラノの展覧会(Another Nature もう一つの自然)10月31日まで。
テキストは、内田樹さん。日本向けのDMは僕が担当。イタリアへお出かけの方、まだ間に合います。リンクをはっておきますのでwebからでも展覧会の様子がわかります。