KenMiki & Associates

完走

たるんだ体を鍛えようと、長く休んでいたジムに3ヶ月ほど前から通い始めています。始めた当初、500mも走ると「ハァハァ」と息が上がっていましたが、じょじょに距離を延ばし5kmまで何とか休まず走りきれるようになった頃、事務所のスタッフから「芦屋のマラソンに挑戦しませんか」と声をかけられました。と、いっても10km(10,000m)です。何とかなるだろうと思い、とりあえずエントリーしたもののジムでの10km初トライでは、途中で歩いてしまう始末。また、本番を見据えて屋外で走ろうと自宅近くのジョギングコースでチャレンジしてみるものの、ベテランらしきランナーに負けじと付いて行こうとして、後半失速。ともかく自分のペースをしっかり守らねばと思いトレーニングを進め、ついにその日がやってきました。
4月12日、晴れ。ユニセフカップ2009芦屋国際ファンラン男子マスターズ10kmへの出場です。受付でゼッケンと時間測定のためのチップをもらい準備万端。高まる気持ちを抑え、いざ本番です。どんどん抜かされていっても最後の1kmまでは、ペースを守ろうと決めていましたが、自分よりかなり年配の方に追い越されると自然と足が速くなります。
ジョギング仲間と話しながらの余裕を見せるランナーや着ぐるみのランナーもいますが、僕は必死です。観客や運営スタッフの声援に後押ししてもらいながら6kmあたりの娘の「ガンバレ!」で気がつけばペースが速まってきます。
そして、じゃじゃ〜ん。1時間を少し過ぎての完走です。
運動会ぐらいでしか走ったことのない僕が大会に出るなんて…。自分でもビックリですが、完走の満足は何とも言えないものです。おこがましいですが、「自分を褒めてあげたい」といったマラソンランナーの有森裕子さんの気持ちがほんのちょっぴりですがわかるような気分です。
若い頃は、何もかも自分一人でやっていたデザインもプロジェクトのスケールが大きくなることで多くのスタッフとの共同作業がふえ、一人っきりで完結することが少なくなってきました。自分の足で走りきる。あたりまえのことですが、すごく嬉しい気分なんです。
『完走』。
これで走りを完にするのではなく、デザインとジョギングを少し並走してみようかと思います。最近、デザイン以外で脳が嬉しくなることが少ないものですから気分ルンルンの一日になりました。もし、フルマラソンを完走したら今回の4倍以上の達成感に出会えるんだろうなと思いつつ、筋肉痛を辛抱しながらのちょっと自慢のコラムです。