KenMiki & Associates

子どもの頃、漢字の覚え方で「イチ、クチ、ソ、イチ、イチ、ノ、メ、ハ」で『頭』という漢字になるというのを亡くなった父に教えてもらったことがあります。
「一、口、ソ、一、」で豆,「一、ノ、目、ハ」で頁。豆と頁で『頭』という訳です。『頭』という漢字を見つけると、今でも鼻歌まじりで「イチ、クチ、ソ、イチ♪♪♪…」と嬉しくなります。先日、知人の母親が米寿(べいじゅ)を迎えるというので年齢とその呼称について語源や由来を調べてみたら、米寿は、数え年の88歳のお祝いで「米」の字が八十八と分解出来ることからとありました。米寿の語源は、何となく知っていたのですが、99歳の白寿(はくじゅ)が「百」の字から一をとると白になるからとか、108歳の茶寿(ちゃじゅ)が「茶」の字を分解すると「十、十、八十八」と分解できるためとか、111歳の皇寿(こうじゅ)が「皇」の字を分解すると「白 (=99)、一、十、一」と分解できるためとあるではないですか。漢字を分解する発想に遊び心があるというか、粋な見立てに国語と算数が一緒になったような楽しさがあると思いました。僕のデザインの発想の仕方は、テーマの根源にある価値を見つけ、それをじっくり観察した後、一度「分解」して再構築や再編集をしながらコンセプトを見つけていきます。子どもの頃の『頭』の漢字の覚え方が、今のデザインの発想の仕方とどこか繋がっているように思います。