KenMiki & Associates

札幌ADC

連休の3日間、札幌ADCの審査会に行ってきました。
審査員は、柿木原政広さん、左合ひとみさん、松下計さん、松永真さん、三木健の5人に昨年の札幌ADCグランプリの長内泰代さんと準グランプリの鎌田順也さんが加わって7人の選考です。今年のグランプリには、岡田善敬さんのオリジナルフォント「オバケ!ホント?」の一連の作品が満票で輝きました。この作品「オバケのQ太郎」が文字に化けたような愛くるしさがあり、審査員全員があまりのセンスの良さに「手も足も出ない」と感じるほどでした。
グランプリ決定後のあいさつで声を詰まらせた岡田さん。この仕事、彼のお父さんが亡くなられた中、無我夢中で制作したものと分かり感動の拍手が会場から鳴り止みませんでした。
新人賞にもドラマがありました。規約では一人と定められていたようですが、あまりにも力が拮抗していて二人が選ばれました。なんと、そのうちの一人が以前に松永真さんの事務所に少しだけいて三行半を突きつけられた若いデザイナーだったんです。壇上にその人が上がった時の松永さんの驚きようといったら、まるで腰から崩れるかのようでした。
しかし、そこが松永パワー、彼にデザイナーの火をつけたように思います。あいさつで松永さんの送ったエールに本人がとても感動していました。こんなにドラマチックな公開審査に遭遇する訳ですから会場にいるみんな大興奮です。
等身大の人たちが、いろんな人生を抱えながら、がんばった結果、賞に選ばれるんですから、ここに参加した全員が何らかのカタチで刺激を受けたことと思います。
最近、富みに札幌から優秀な人材が現れる理由がここにきてやっと分かりました。ローカルでしっかりとデザインを耕していたら、気づいたら世界のデザインが近づいて来る。
そんな光景が浮かぶ札幌ADCでした。